第9回「それぞれの教育事業について」(ゲスト:高橋彦太郎)【前編】

第9回のゲストは、事業創造カンパニーとしてさまざまな分野で事業創造を進めている、高橋株式会社代表取締役の高橋彦太郎さんです。

前編は、子ども向けの教育プログラム「Edumo!」(エデュモ)の構想について語っていただきました。

株式会社ビッグトゥリー

代表取締役 髙柳 希

ディスカッション好きが高じて大学時代に起業。ディスカッション・コミュニケーション専門の教育会社として、企業研修や学校にて教育を行なう。2015年に「ディスカッションの学びの空間 Dコート」を開設し、現在に至る。

高橋株式会社

代表取締役 高橋 彦太郎

スポーツクラブや飲食店など、多岐にわたる事業展開を行なう。「事業創造カンパニー」として事業開発を積極的に行なっている。2018年に子ども向け教育サービス「Edumo!」をスタート。


ーー自己紹介をお願いします。

高柳:私は株式会社ビックトゥリーでDコートを主催している高栁希です。ディスカッションを専門として、子供から大人までの授業を担当しています。今回はよろしくお願いします。

 

高橋:私は高橋株式会社代表の高橋彦太郎と申します。この会社は、事業創造カンパニーというビジョンを掲げ、ボウリング場やフィットネスクラブ、外食や農業といった様々な分野において、地域に貢献できるような仕事を作っていこうとしています。たとえば、現在はフィットネスクラブテニススクールと飲食のテナントが一緒になった複合型地域施設を経営しています。

「コミュニケーションが学べる」英会話教室

ーーお2人の出会いについて教えてください。

高橋:創業して数年のベンチャー企業がここから伸びていくためにはどうしたらいいかというキャンプがあり、高栁さんがこのキャンプに参加されたときに出会いましたね。

 

高柳:このキャンプの最後に発表する機会があり、この発表会のときに私は教育のイノベーションによるディスカッションスクールを立ち上げるということを発表しました。発表会の終了後に社長のほうから名刺交換にきていただきました。

 

高橋:私の会社はテニススクールとスイミングスクールに関しては子ども向けに行なっています。ゆくゆくは塾とは異なる、スポーツを通した教育をやりたいという思いがありましたので、高栁さんが行なっているディスカッションと、私が考えているスポーツを通したコミュニケーションを組み合わせることができるのではないかと考えました。

 

高柳:もしこのキャンプでディスカッションスクールの発表をしていなかったら、名刺交換はしていなかったと思います。おそらく2015年だったと思います。

 

高橋:私はちょうどその頃にアメリカに行っていました。そのときにコミュニケーションをベースに教育するというシステムがアメリカでは進んでいるという印象を受けました。日本でもコミュニケーションを重視した教育をやりたいと思いました。高栁さんも同じプログラムに参加されましたよね。

 

高柳:はい!サンフランシスコでは言葉では言い表せないほどの刺激をもらいました!

 

高橋:英会話教室やテニススクールにコミュニケーションの要素を取り入れたいと思い、高栁さんに「一緒にやりましょう」と声をかけさせていただきました。そこで高栁さんに社員研修してもらったこともありましたね。

 

高柳:テニススクールの皆さんに研修をさせていただきました。この経験が、今からお話しさせていただくEdumo!(エデュモ)につながっていきます。

 

高橋:コミュニケーションの要素を含んだ英会話教室によって、「英語とともにグローバルなコミュニケーションのスタイルを身につけることができるのでは」と思い、日本人向けの英語クラスを実験的に行いながら決めました。

 

高柳:私がサンフランシスコを訪れていたときに感じたのは、本当に相手と関わっていくには「英語が得意ということだけでは足りない」ということでした。このような経験から、面白いと思って高橋さんと一緒に始めさせていただきました。

 

ーーEdumo!の英会話に期待していることについて教えてください。

 

高橋:自分のことを話して、それを英語にするということはすごくいいことだと思います。子どもは自分の話を聞いてくれると思い、自然と自信がつくはずです。

 子どもたちが自分の考えていることを、両親や先生以外の人にも英語で簡単に話せるようにしたいです。このような力が今後受験や学校教育におけるベースになると思うので、小学校3,4年生が楽しんで学ぶことができる環境を実現できればいいと考えています。

 

高柳:今の子どもたちは、やりたい気持ちよりも、やらなければならない感覚で動いている気がします。ところが、Edumo!ではみんなにエネルギーを感じます。これは正しくやるというよりも、まず、言葉に出すということからエネルギーが生まれるのだと思いました。

プログラムの最大の工夫は、テキストが無いということです。テキストを持って海外に行って、誰かと話す機会はほとんどありません。テキストではなく、センテンスカードという文章カードを自分でつくるシステムにしました。センテンスカードの枚数がそのまま自信になっていくのではと考えています。

 

コミュニケーションを軸に、さまざまな教育コンテンツへ

高橋:最初のきっかけとして英会話教室を始めました。幼少期に、コミュニケーションを通して精神的に成長していけるような環境が求められています。これからは英会話教室だけでなく、スポーツやキャンプといった、コミュニケーションにおける教育的な配慮ができる、あらゆる子ども向けのプログラムを「Edumo!」として提案していけたらいいと思っています。

 

高柳:様々な分野がある中で、なぜ教育分野に興味を持ったのですか?

 

高橋:大都市に行かずとも、自分の家の近くで、アウトプットを重視した学ぶ機会のある社会を実現したいという気持ちがありました。私自身、大学でアウトプット重視の教育を受け、海外留学を経験し、そのような必要性を感じたからです。

 また、私の会社のテニススクールやスイミングスクールで実践している教育的な工夫を社会に還元したいとも思いました。

ーー2019年にEdumo!で取り組みたいことについて教えてください。

 

高柳:グローバルなコミュニケーション能力とは何かについて考えを深めたいです。その人のスタンスや視点がコミュニケーションに関わるので、これらを分析し、より実践的な英語のプログラム作りに協力できればと思っています。

 

高橋:具体的なことでいうと、ネイティブの人とのやりとりが自然にできるような環境を作れたらいいと思っています。子どもたちがイベントに参加し、教室外でも英語で自由に発言する姿を見ていただくことで、保護者の方の理解を深めてもらえるような2年目にすることができればと思っています。

 

高柳:感じて学ぶことはとても重要ですね。機会を増やしていくというイメージですよね。

 

高橋:そうですね。意外と子どもは自分で力をつけるようなところがあります。そこで子どもたちのことを理解してくれる先生のもとで、子どもたちが変わったということを保護者の方が実感できるようにしていきたいと思っています。

 


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