第11回「道端の石でさえ知育」(ゲスト:原田圭悟 つみきや)【後編】

【未来の教育を語る 】第11回のゲストは、木製玩具屋「つみきや」の原田圭悟さんです。前編は、おもちゃ選びのポイントについて語っていただきました。分

㈱ビッグトゥリー

代表取締役 髙柳 希

大学在学中の2006年に起業。ディスカッション専門の教育会社として、企業研修や学校にて教育を行なう。2015年に小学生・中高生対象のディスカッションスクール「ディスカッションの学びの空間 Dコート」を開校。

つみきや

原田 圭悟

大学卒業後、食品メーカーに勤務。父親が創業した木製玩具店「つみきや」に2015年より従事。ヨーロッパの木のおもちゃやアナログのゲームの販売を続けると共に、近年ではつみきやオリジナルの商品開発にも取り組んでいる。障がい者就労の視点から個性を活かす共生社会を目指す「( 一社)Toghetherland」理事。


葛藤を越えて自分なりの正解を

ーーお二人の共通点は、広い意味で「コミュニケーションの機会を提供をしている」点とも言えます。それぞれの活動の意図をあらためて教えてください。

 

高柳:Dコートでは、「ディスカッション」という形でコミュニケーションの場を提供しています。私が目指していることは、自分らしく考えることです。

自分が思っているものからお互いに刺激し合って、その中で納得することや葛藤を越えて自分なりの正解を出すことが大事だと思っています。

 

 

原田:大事にしたい部分はすごく共感できます。本当に正解がない時代なので、これから先に自分が自信を持って好きだといえることがすごく大事だと思います。

 

高柳:教育というものを考えたときに、勉強で点数をつけることも大事なことだと思います。ただ、そこで優秀かそうでないかを決めるようになりすぎると、その他の分野でも自信をつけることが難しいのではないかと思います。

 

原田:自己肯定感のようなものですね。他の人に評価されるという関係に慣れてしまうのではなく、たとえばおもちゃにしても自分が楽しいと感じるかどうかが非常に大事だと思います。

 

道端の石でさえ知育

高柳:つみきやでは、1人で遊ぶのものからみんなで遊ぶものまで取り扱っていらっしゃいますよね。幅広いコミュニケーションツールだと思います。

 

原田:1人で遊ぶことは重要だと思います。多くのシチュエーションにおいて、別の何かを通さないと自分が見えてこないと思います。

自分が積み木で遊ぶことや1人で遊ぶゲームをするということも、自分との対話を繰り返すという面においては良い機会になると思います。

また、ボードゲームを行っていいなと感じるのは、ルールを自分たちが主体になって作らないといけない場面が出てくることです。たとえば、7歳以上が対象のゲームに、対象年齢よりも低い子が混じっていたとしましょう。もし、この子が難しそうにしているときは、ルールをこの子に合わせるように少し変えたりします。ルールの幅を柔軟にすることによって合意を取り付けるという行為はものすごくいいと思います。

 

高柳:もともと、人間は自分たちでルールを作っていますからね。

 

原田:「みんなが納得してルールを作る」という部分が伝わったらいいと思います。ルールを作る過程にみんなで参加した方が、みんながルールを作る一員になって、楽しめる空気になると思います。

 

高柳:働き方や暮らし方など、大きなところのルールを変えていいやと思うことや、周囲と合意を得ていく力など必要だと思います。

 

原田:残念ながら、そこは現在の日本では圧倒的に足りていない部分だと思います。これからもっと自由になっていく中で、ますます必要な力だと思います。

 

高柳:楽しみながらそうしたコミュニケーションをとることは、考えることや想像することを自然に促すので、いいなと思いました。

 

原田:たとえば、道端に転がっている石ころなども知育ではないかと思います。保育園児や幼稚園児は、道を歩いているときにさまざまなところに興味を持って立ち止まります。色々なことを試そうとします。このとき脳は、活発に動いています。自分から興味を持って色々なことを試すので、知育ではないかと感じます。

 

リアルの場を追求する

ーー今後の展望を教えてください。

原田:ヨーロッパの木のおもちゃを取り扱うおもちゃ屋で始まりましたが、最近は少しずつ「さくらの大冒険」など、オリジナルの製品が出てきています。

ヨーロッパの木のおもちゃは素晴らしいです。ただ、日本の子どもたちに即したおもちゃがあるのではないかと思うようになりました。今後は、状況に応じたオリジナルのおもちゃを自分たちで作って普及させたいと考えています。

 

高柳:Dコートは、教室に来ていただいて初めて議論を提供できるのですが、教室に通えない子どもは参加することができません。このようなことを解決するために、Dコートにこだわらず、色々な場所で色々な人たちがディスカッションできるツールを開発したいと考えています。

議論が上手になるということを目指すというより、自分で考え納得する力や、発言をしていない人にもどう思うか尋ねられる人が増えてくれればいいと考えています。自然に議論できる社会になればいいですね。

 

原田:確かにそうですね。自分の意見を言うことが怖い部分があると思います。自分の意見を言うことによって、どう思われるか気になる人も多いと思います。自分の意見を言うことは何歳からでもできるので、小さい頃からそのような経験を積んだ方がよいと思います。

 

高柳:最近の社会では、インターネットやスマートフォンが普及しています。このような状況だからこそリアルの場を追求する、つみきやさんと一緒に何かできればと思っています。コミュニケーションを題材にしたゲームでも一緒に開発できればいいですね。

 

原田:是非、やりましょう!

※次回、「第12回 未来の教育を語る」は2019年10月25日(金)に公開されます。


日本初!ディスカッションの教室「Dコート」

自分らしく考える力を!

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