第9回「未来の教育を語る」(ゲスト:高橋彦太郎)【後編】

第9回のゲストは、事業創造カンパニーとしてさまざまな分野で事業創造を進めている、高橋株式会社代表取締役の高橋彦太郎さんです。前編では、子ども向け教育プログラムEdumo!(エデュモ)について語っていただきました。後編は、ディスカッションの学びの空間Dコートについて意見交換をしました。

 

㈱ビッグトゥリー

代表取締役 髙柳 希

ディスカッション好きが高じて大学時代に起業。ディスカッション・コミュニケーション専門の教育会社として、企業研修や学校にて教育を行なう。2015年に「ディスカッションの学びの空間 Dコート」を開設し、現在に至る。

高橋株式会社

代表取締役 高橋 彦太郎

スポーツクラブや飲食店など、多岐にわたる事業展開を行なう。「事業創造カンパニー」として事業開発を積極的に行なっている。2018年に子ども向け教育サービス「Edumo!」をスタート。


自分で自分を育む

ーーDコートの教育理念「自分で自分を育む」について、どのようなイメージがありますか?

 

高橋:内省する力です。自分の価値観など内省することで、自分と相手の違いや共通点を見出すことができ、働く中でのコミュニケーションに役立ちます。

 この力を養うには、自分が大事にしていることなどを自分と対話しながら知り、自分を成長させていくことが大事です。価値観が違う人とも対立することなく一緒に協力することが大事で、このような経験を繰り返している人は他の人の考え方も尊重できるはずです。

 

高柳:私は、一人の子に詰め込むのではなく、ひとりひとりの個性を協力させることができればいいと思っています。ただこれを実現するには自分が得意なことや苦手なことを知っておく必要があります。先ほどお話が出ましたが、自分がどうしても譲れない部分とそうでない部分をじっくり考えるという機会が少ないと感じています。

 

高橋:私は自分の価値観をはっきりさせる、自分の強みや弱みを知ることでみんなと協調できること、価値観を押し付けないということは理想論としては大事だと思います。ただそれを真に受けてしまうと、みんながだらしなくなるという問題があります。だから、結局は多少強制になっても負荷をかけないといけないと思います。

 

高柳:自分で負荷をかけることもできると思います。私が現代の社会に課題を感じていることは、評価されることに慣れている人が多く、誰かに評価されるための行動をする癖がつくと、自ら何かを生み出すということができなくなるのではないかということです。

 

高橋:私の考える負荷は、基本的には自分で自分のハードルを上げるということです。ただ人によってハードルの高さは必ずしも同じではありませんので、一概に負荷がかかるといえませんが、理想論としては自分でハードルを上げることが大切です。それは容易なことではないですけど、自分と向き合うことで生まれるものだと思います。

 

高柳:「頑張らなかった」という自分を振り返って、そこで得た結果を自分が受けるということが重要ということですかね。

 

高橋:そうですね。まぁ一概に結果といってもネガティブなことばかりではなく、いい成績を出してみんなを喜ばせようということも結果であり、負荷であると思います。

 

Dコートでの子どもたちの変化

高橋:実際に、Dコートに通っている子どもたちにはどのような変化がありますか?

 

高柳:Dコートは、子どもたち自身がディスカッションのお題(テーマ)を選んで話すシステムですが、ディスカッションのお題を作るというプログラムもあります。

たとえば、最近は「自分のフルネームを変えてください」というものがありました。みんな最初は戸惑っていましたが、このディスカッションを通じて初めて自分の名前が好きだということに気がついたみたいです(笑)

 

高橋:なにかクリエイティブな感じがします。当たり前でないことに挑戦するということは現代とても大事なことだと思います。

 

高柳:もうひとつ面白いことがありました。「世界のゴミを半分に減らすために何をするか?」という議論でのことです。ある中学生が、ほとんどのものを使い捨てじゃないもの、つまり「Myバッグ」「Myカップ」など「My〇〇」にすればいいと主張しました。最後には、マイマイプロジェクトというものを立ち上げたいと言い出しました。終了後、生徒がそのプロジェクトを「本当にしませんか?」と相談に来ました。

 

高橋:これがまさに自分にとってのハードルを上げるということだと思います。行動に移していく中で、さまざまな問題に直面するかもしれないですが、やはり行動に移さないと自分の声や価値観といったものは明確にならないでしょう。ディスカッションにはかなりの効果があると思います。徐々にやっていくことが大事です。

 

高柳:そうですね。経験することによって色々なものを受け入れられる幅も広がりますね。私の場合では、「起業すること」があてはまると思いました。

 

ーー最後に、Dコートについて、一言お願いします。

 

高橋:私は中高生がディスカッションする場や自分のことを話す場をもう少し敷居を低くしてやってほしいと思います。なかなか中高生は学校や家庭でしか話す場がないので、半分遊びで、半分真剣にやるといった場を提供してあげられればいいと考えています。

 

高柳:私は色々な場所で色々な刺激を受けることが教育の一番大事な部分であると考えています。教育の場所が固定されてしまうことが教育上一番危険なのではないかと思います。

 

高橋:本当は学校でも好きなことが話せる環境があるとは思いますが、人数が多いから難しいですね。

学校でも職場でも家庭でもない場所である、サードプレイスという言葉があります。これを直訳すると「第3の場所」ですが、専門書では「グッドプレイスを作る」という意味になっています。

役割のある自分ではなく、自分らしく感じられる場所ということです。

Dコートにも、価値観に縛られないグッドプレイスを作るサードプレイスとしての意味もあるのではないかと思いました。

 

高柳:その考えは私が目指しているものに近いです。貴重なご意見をいただき本日はありがとうございました。

※次回、「第10回 未来の教育を語る」は2019年4月12日(金)に公開されます。


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グローバル・政治・社会・哲学・自分・友だち、身近なことから社会のことまで幅広いテーマのディスカッションを通じて、豊かな視点や興味関心のアンテナが育まれます!また、一人ひとりの「自分らしいコミュニケーション」を大切にしながら、総合的に非認知能力を高めていくことができます。これからの時代に大切な力をぜひDコートで育みませんか?


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